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月刊誌ナイルス・ナイル
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ナイスルナイルはよりよいライフスタイルを提案するカルチャーファッション誌です。
世界的に活躍する日本人画家、彫刻家などのアーティストをピックアップ。
このコラムは2005年12月号より2007年9月号までに連載した記事と現在執筆のもの。
2006.8月号 NO.115 カバーフォト:TONY---------発行:ナイルスコミュニケーションズ
[登場アーティスト]
杉本博司(No.107 )
篠原有史男(No.108 )
黒田アキ(No.109)
荒川修作(No.110)
中島由夫(No.111)
安田侃(No.112)
小林孝宣(No.113)
外尾悦郎(No.114)
ジミー大西(No.115)
松山修平(No.116)
草間彌生(No.117)
村上隆(No.118)
森万里子(No.119)
奈良美智(No.120)
川俣正(No.121)
千住博(No.122)
新宮晋(No.123)
リー・ウー・ハン(No.124)
絹谷幸二(No.125)
横尾忠則(No.126)
大竹伸朗(No.128)
ヘルマン・ニッチェ(No.176)

天真爛漫な転身 ー ジミー大西(じみーおおにし)


 絵とは何か? と問われたら、言葉や音で言い表せない世界です、と答える。
 しかしそれでは答えになっていない。言葉で創られたものが小説や詩で、音で表現されたものが音楽、そして絵は色や形で表わされたものだから当たり前だ。
 しかしもうひとつのレトリック(暗喩)が隠れている。それは、言葉で答えている、ということだ。へ理屈を並べているようだが、私たちの社会やシステムは大部分を言葉に依存しているため、問題に突き当たると無意識に言葉によりどころを求めようとする。そして言葉で解決できないと難解だ、よくない、という帰結で苛立った自分自身を納得させようとする。でもそれは最初から無理な話で説明しようとしても説明できないのが絵や音楽や詩、イコール芸術なのだ。
 言いたいことはたくさんあるのにそれらが言葉にならない。若い頃まだ知識や経験がないと、のど奥にモノが詰まったようにやり場のない不満や苛立ちやに悩まされたことはないだろうか。そういうときアートはガス抜きの役目もしてくれる。つまり言葉ではたとえられない生きる力、みたいなものの行き場を示してくれるのだ。
 天然ボケ。この言葉は萩本欽一がジミー大西のことを指して使ったのが初めてらしい。
 ジミー大西こと大西秀明、1964年大阪生まれ。高校生の頃から吉本興業に所属し、明石家さんまの運転手をしながら芸を磨き、その天然ボケキャラで人気お笑いタレントになる。そしてTV番組の中で描いた絵が思いのほか、専門家からも称賛を浴び、93年に初めての個展を開催。尊敬する上岡龍太郎や岡本太郎の助言もあり96年芸能活動から引退、画家に転身。ピカソやダリ、ミロの生んだ太陽の国スペインへ移住、本格的に創作活動を始める。
 97年バルセロナと日本で個展、99年ブラジル・バラ州より文化功労賞受賞。大阪府ふるさと切手の原画制作。01年ロンドンで個展開催。02年、05年日本全国で展覧会を開催。また絵本やカレンダーなども多く手がけている。最近では今年5月、ネットオークションでジミー大西の贋作を販売した業者が摘発される事件までもおこる。
 そんな彼の画才だが、成功したアーティストたちがよく言うように幼い頃から絵が上手でコンクールで入賞した、親や親戚の中に画家やアーティストがいて影響を受けたなど、そういうたぐいの話はない。さらにとくに絵が好きだったようでもない。ただ実家の近くで開催された万国博覧会の岡本太郎の太陽の塔には、とても感動したと語っている。
 なぜ屋根に穴を開けて突き抜けているのか、太陽なのになぜ顔があるのだろう、という素朴な疑問が幼心に沸き起こったというから、やはり心の奥底には将来を予見させるように芸術に対する何か、が芽吹いていたのではないだろうか。
 芸能界で活躍するようになると太陽の塔で彼の心に刻まれた岡本太郎の存在はますます大きくなり、直接岡本太郎から褒められたりする幸運にも恵まれ、キャンバスからはみ出せ!という太郎のメッセージを具現するかのごとく、芸術は爆発だ!という名言に追従するかのごとく画家の人生を選んだのだ。
 ジミー大西の絵は一言でいうと、その人柄そのものである。つまり天真爛漫な画面である。そこにはまったく衒いや気負いがなく、おしつけがましい高尚さももちろん、ない。
 おそらくあのお笑い芸人の絵だから、という先入観で受けいれる人も多いのではないだろうか?! しかし最初にも書いたが表現は言葉を越えたところにある。彼の持ち前の面白さはあの天然ボケにあった。隔靴掻痒、それは彼が言葉では表せなかった生きる力のほとばしり、だったのではないだろうか。そして偶然、彼はそのもどかしさを一気に解決する方法を見つけた。それが絵を描くことだったのだ。

※補足だが、先月書いた外尾悦郎氏のサグラダファミリアの真下に高速鉄道のトンネル工事計画があがり教会関係者が猛反発しているニュースが飛び込んできた。
[掲載写真] 1. 「未来への夢」(C)JIMMY ONISHI

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